無言電話 

今年の5月下旬頃の事なのですが、お仕事が終わってお家に着いた後、1本の電話が自宅にかかってきました。

 

あれは夕方の6時頃で、家族が誰も家にいませんでした。

 

私が出て、名前を名乗ってる途中で電話を切られた。

 

「なにこれ!?ワン切り!?」 

 

 

 

 

 

その後、30分しないうちにまた自宅の電話が鳴りました。

 

電話に出て私が名前を名乗った後、相手は外からかけてるのか雑音しか聞こえてこない。

 

うちの電話機は古くて、相手の声がよく聞えない事があったり、こちらの声が相手によく聞えない事がたまにあるようだったので、「もしもし、もしもし、もしもーし!!」と大きな声で言うも、雑音しか聞こえない。

 

その後、また切られた。

 

 

 

 

 

帰ってきた家族に、自宅に電話しなかったか聞いたところ、誰もしていない。

 

最近みんな携帯電話もっている時代のせいか、家の電話には営業か、私が携帯電話に出ない事による家族からの電話ぐらいしかかかってこないのです。

 

「なにこれー。アポ電!?それとも空き巣の在宅確認かな!?」と最初思ったものの、しばらくすると、「これってもしかして、初恋の人が、私の声が聞きたくなって電話してきてくれたのかも?」と思うようになりました。

 

 

 

え?

 

おかしいですか?

 

ええ。

 

そうです。

 

おかしいんです、私。

 

おかしいのは充分承知です。

 

でも、その時の私はどうしても、「そうだったらいいな」って思いたかったのです。

 

そう考えないと、やってられない精神状態でしたので。

 

 

 

 

 

それはどうしてかというと・・・、今年の初め頃の事なのですが、初恋の人とそうとう久しぶりに連絡を取る機会がありました。

 

その時に「機会があったら会いましょう」と言っていただいたので、私は社交辞令とか全く考えず「会える♪会える♪」と思ってしまったのです。

 

 

だって、私は会いたかったから。

 

 

しかしながらその後、全く連絡がない・・・。

 

で、自分から連絡をしてみようと4月に入って思いつき、私はさすがに「会いたい、会いたい」とは言いづらかったので、世間話の内容のメールを送った所・・・、返信がまったくない・・・。

 

あっっ!!これは・・・・・、会う以前に関わる気がないのかもしれない・・・と思い、ショック

 

というか、ショックどころのレベルではなく、かなりの精神的ダメージでした。

 

返信がないと思った後、免疫力が低下したのか、3月下旬頃にひき始めた風邪がものすごい勢いで悪化。

 

急激にだるさがハンパなくなり、熱も上がり、むせかえるような咳が止まらなくなりました。

 

「っていうか、これってインフルじゃないの!?」と思い、お医者さんで2回も検査をしてもらったけど、ただの風邪。

 

精神的にも肉体的にもやられているので、仕事できる状態じゃないと思い、有休をフルに使って、あんまり出勤しないようにし、仕事もせず、掃除も最小限。

 

ご飯だって、「体調が悪くて(精神的にもまいってるので)作れない!!」という日も多くありました。

 

しかしながら私に風邪をうつしたと思われる息子は、病院にもいかず、悪化もせず、完治していました。

 

結局、やっと良くなってきたのは、GWが終わる頃。

 

最後はお医者さんで、「咳喘息」のお薬もらって、全快してきたのは5月中旬頃。

 

はっきりいってその風邪は、私が45年生きてきて、未だかつて味わったことがないくらいひどい風邪となりました。

 

インフルエンザにもかかったことがありますが、そっちのほうがまだましなんじゃないかと思うくらい。

 

「病は気から」っていうのは本当だと思う。

 

 

 

 

 

5月中旬に体はだいぶ良くなりましたが、ついつい、メールの返信がなかったことを思い返し、悲しくなってしまう。

 

いやいや。悲しくなってしまうどころではなく。

 

まるで、地獄の底を這うような気分になってしまっていたのです。

 

そんな時に、ちょうどその電話がかかってきました。

 

だから私は思ったんです。

 

「これってもしかして、あの初恋の人かも。」

 

え?

 

そうです。

 

そうですよ。

 

私がおかしいのは充分承知。

 

10人に言ったら、10人そうじゃないって言うかもしれない。

 

しかし、そんなことはどうでもいいのです。

 

だって、「そうだったらいいな」って考えると、気持ちがだいぶ楽になったんです。

 

地獄の底からは一応這いあがれた♡

 

もちろん「絶対にそう」と思っているわけではなく、脳みその大部分は「アポ電か空き巣の在宅確認かもしれない」と思っていて、その一部分で「でも、もしかしたら初恋の人だったらいいな」って考えている状態です。

 

 

 

 

 

そしてその後も、なぜかそのような(1回目は名乗ってる時に切れて、2回目は30分以内に無言電話がかかってくる)電話が、その後も1ヶ月に1~2回の頻度でかかってきてくれました。

 

私は、そんな電話がかかってくるたび、「初恋の人かも」という気持ちがどこかにあるせいか、いつも2回めの電話の時はウキウキして2コールで出てしまったり(笑)

 

おかしいですよね(笑)

 

そして「初恋の人かも」という気持ちはどんどん大きくなり、8月にそんな電話がかかってきた後、「次、またかかってきたら、初恋の人か聞いてみよう!!」「もしそうなら、会いたいと言ってみよう!!」と決意。

 

おかしいですか?(笑)

 

おかしいですよね(笑)

 

そして、家に一人でいる時は、次の電話がかかってきた時に、緊張してかんでしまわないよう「こう言ってみよう」「ああ言ってみよう」と考えながらひそかに練習してました(笑)

 

 

 

 

 

 

そして9月に入り、私が台湾旅行に行く前日の夜、また名乗ってる途中で切られる電話が、夜の7時頃にかかってきました。

 

ちょうど、私がお風呂に入ろうと準備していた時に。

 

しかしながら、いつもそういう電話がかかってくる時は、いつもいつも私が家に一人だったんですが、その時は初めて息子が家にいました。

 

はっきり言って息子の前で、初恋の人かどうかなんて聞けない・・・。

 

しかも、次の日から台湾旅行のため、準備であわただしかったのです。

 

どうせ息子がいるので聞けないという気持ちもあり、たまたま初めて息子が居る時にそういう電話がかかってきたので、息子には「初恋の人かも」という話はせず、こんな電話が最近かかってきてるんだけどどう思う?ってついつい話してみました。

 

すると息子は、「それって絶対アポ電だよ。電話でないほうがいいよ!!」って言われました。

 

アポ電・・・。

 

自分でもアポ電かもと思っている部分ももちろんあったし、息子の前では「初恋の人か」聞けないし、台湾旅行準備で忙しかったので、2回目の電話を待たずお風呂に入りました。

 

そして・・・、

お風呂から出てきたら、息子が、「お母さんが言ってた通り、2回目の電話、かかってきた!!」って言ってきました。

 

ああ、やっぱりかかってきたんだ!!やっぱりいつもの電話だったんだ!!

 

息子は、「俺が『はい』って電話出たら、『間違えました』って切られた!!名乗ってないのに!!」って。

 

こっちが名乗ってないのに「間違えました」はおかしいですよね・・・。

 

「男女どっちの声?」って息子に聞いたら、「男」って。

 

ああ、これはもしかして!!

 

息子に冗談で、「お母さん、ストーカーされてるのかも♡」って言ったら、息子は、

 

「電話の声は、若い兄ちゃんだったよ。」

 

「お母さん。あのね、電話の声は、若い兄ちゃんだった。ヤンキーみたいな感じの。」

 

「おじさんだったらわかるけど、若い兄ちゃんがお母さんのストーカーをやるわけないでしょ!!」

 

「それに電話の向こうでザワザワしてて、電話の音が鳴ったりしてるようだったから、どこかの事務所な感じ。たぶんアポ電の事務所だよ!!」

 

「もう危ないから電話とるのやめなよ!!」

 

「留守電にしておけばいいんだから!!」と言われました。

 

そうか・・・、若い兄ちゃんか・・・。

 

当たり前ですがですが私の初恋の人は、現在、若い兄ちゃんではありません。

 

息子に今後電話を取るなと言われて、私は承諾しました・・・。

 

その後、台湾旅行中もずっとそのことを考えており、「いやいや、やっぱり息子には若い兄ちゃんの声に聞こえているだけかもしれない!!」と思いなおし、「やっぱり息子がいないときは電話に出てみよう!!」「出て、初恋の人か聞いてみて、そうだったら会いたいと言ってみよう!!」と決意。

 

 

 

 

 

その後、9月の下旬頃のことです。

私が仕事から帰ると自宅の電話に留守電が入っていました。

 

聞いてみたら・・・、なんと・・・・・・・無言電話。

 

なにこれ!!!

 

留守電に無言電話入れるなんて!!

 

信じられない!!

 

ギョッっとして、即、消去。

 

さすがに留守電に無言電話入れるなんて、存在アピール強烈だな・・・って思いました・・・。

 

これはもちろん、5月下旬からずっと無言電話かけてきた類だと思いましたが、これってホントにアポ電や空き巣の在宅確認なのかな・・・?って思いました。

 

しかしながらその無言電話を最後に、そういった無言電話は一切かかってこなくなりました。

 

今思えばあの留守電はきっと、「さようなら・・・」っていう意味だったのかもしれません・・・。

 

 

 

 

 

 

結局、「初恋の人かどうか聞こう!!」と思っていたけれども、聞くことができなくなってしまいました。

 

残念です。

 

たとえ初恋の人でなかったとしても、確認したかった。

 

だって私にできるのは、それだけだったから。

 

初恋の人には会いたいけれども、メールはもう恐ろしくてできないのです。

 

もしまたメールして返信がなかったり嫌がられたりしたら、今度受けるダメージは4月頃の風邪の悪化どころではないと思うので。

 

メールはできないけれど、無言電話の確認ならできると思っていたのです。

 

もし初恋の人じゃなかったとしても、寝込むほどにもならないかもと思ったので。

 

だから、どうしても確認したいと思っていました。

 

なので、台湾に行く前日の2回目の電話に自分で出なかったことを非常に後悔。

 

もうやってしまったので後悔しても仕方ないけど。

 

結局、無言電話してきたのは、誰だかいまだにわかりません。

 

確認できても、初恋の人じゃなくて、初恋の人に会うことにはつながらなかったかもしれないけれど。

 

でも、私はそこに希望を持っていたんですよね。

 

 

 

 

 

 

無言電話はもう確認できませんが、私は結局のところ、初恋の人に会いたいのです。

 

しかし、どうしていいかわからない。

 

というか、どうすることもできない。

 

どうすることもできなけれど、あきらめもつかない(笑)

 

だからとりあえず、気持ちだけでも希望をもって、前向きに考えようと思います。

 

だってだって、人生って何が起こるかわからないからって思うので。

 

今後奇跡が起きたりして、初恋の人と楽しく会えるチャンスが巡ってくるかもしれない。

 

そう考えて、希望をもって、今後も前向きにやっていこうと思います♡